【外道の歌】不健全図書に指定された漫画はなぜ支持されるのか

前作『善悪の屑』より第2部として連載が開始した本作『外道の歌』は、引き続き十分な処罰を受けていない犯罪者に対し、復讐屋であるカモとトラが被害者に代わって私刑を執行する。

前作同様、現実で発生した凶悪事件をモチーフにした物語が描かれており、フィクションとは感じられないリアリティである。

そして、あいかわらず不健全図書ぶりを発揮しており、内容の賛否はあるのだが、いずれにせよ多くの人に読まれている。

私刑執行人の素顔

今回は主人公のカモや、同業の他組織である「朝食会(ブレックファストクラブ)」の加世子の壮絶な過去が描かれており、キャラクターたちの人物像が見えてくるようになる。

彼らがなぜ、犯罪者の罪に対する罰を司法に委ねていないか。

なぜそこまで被害者の思いを汲んで、私刑執行人という危ない橋を渡り続けるのか。

やはり、かつて彼らも復讐を依頼してきた被害者たちと同じ立場であり、乗り越えることのできない悲しみを背負っている。

犯人を裁く司法関係者には被害者の気持ちがわからないとは言わないが、少なくとも過去に被害者と同じ立場だったカモたちの方が被害者の気持ちが理解できるのだろう。

猟奇的殺人犯

いつの世も、加害者の気持ちが全く理解できない事件がたびたび発生する。

多くの事件には、加害者に事件を起こす”動機”というものが存在する。しかし、どれほど犯人を突き詰めても動機や、犯人の人格が理解不能なケースがある。

このような事件において、「快楽殺人」や「愉快犯」などと言われることがある。

 

「外道の歌」でもそのような猟奇的な連続殺人を繰り返している人物が登場する。

やはり、彼らの思考は一般人には到底理解不能なものだが、カモ曰く彼らは人間が「持たない方がイイ」といわれる3つの特性を持っているという。

その3つの特性とは、以下のようなものである。

・サイコパシー:反社会性

・ナルシシズム:自尊心の肥大化

・マキャベリズム:目的のために手段を選ばない

 

そして、この3つを総称して「ダークトライアド」と呼ばれる。

猟奇的殺人犯や犯罪率の高い人物は、このダークトライアドにあてはまる人物が多いという傾向にある。

外道の歌に込められた被害者のメッセージ

このような快楽殺人も現実には存在するため、あらためて法律で裁くことは難しいと感じる。

しかし、犯人に対し十分な裁きとならず、悲しみを背負い続ける被害者や遺族は後を絶たない。

だからこそ、東京都の不健全図書に指定されたにもかかわらず、「外道の歌」は支持され続けているのだろう。

 

日本は法治国家であり、私刑は決して許されるものではない。

これだけ整備された法があるからこそ、世界的にみても治安が良く、秩序が保たれているのは事実だ。

そのため、カモや朝食会がおこなっている復讐行為は肯定してはならない。

ただ、カモたちが復讐を行い、被害者から涙を流して感謝をされるシーンを見ると、考えさせられるものがある。

 

全ての被害者が納得する裁きが行われるのは不可能かもしれないが、もしかしたら日本の犯罪に対する刑は世界的に見て軽いのものなのだろうか。

現在も悲しみ続ける凶悪犯罪の被害者たちのために、「善悪の屑」や「外道の歌」はそんな日本の司法制度に対して一石を投じているのかもしれない。

 

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