【沈黙の艦隊】地球の問題は海から解決してしまうのだ

こんなにも勉強になり、おもしろい漫画があったのか。

もっと早く読むべきだった。

 

タイトルは多くの人が目にしたことがあるだろう。『沈黙の艦隊』は1980年代から90年代にかけて大ヒットした漫画だ。

テーマとしては、現代の国際問題でもある核兵器や外交である。

世界で唯一の被曝国である日本は、世界から核兵器や戦争を無くしたいという思いが特に強いだろう。

1980年代も、戦後40年ほど経過しているとはいえ、核兵器根絶は人類の悲願である。

 

ストーリーとしては、日米で極秘建造した原子力潜水艦である「シーバット」が突如姿を消して、逃亡するところから始まる。

結果的には、シーバットに搭乗する艦長・海江田四郎と乗組員76名が国際問題や核兵器を持つ各国に対して一石を投じるための計画的な行動であった。

海江田は核撤廃のために原子力潜水艦シーバットを、領土を持たない独立国家”やまと”と宣言し、ニューヨークにある国連本部を目指す。

 

21世紀に入っても、軍縮が進んでいるとはいえ現実世界に核兵器は無くなっていない。

世界に6万以上の核兵器が存在した1980年代と比べると、1万以下に減ってきているのは進歩しているが、それでも2018年にアメリカ合衆国がINF(中距離核戦力)全廃条約を破棄するなど、核兵器全廃への道はまだまだ遠いといえる。

このような世界の核問題を海江田は海上自衛隊ならではの視点で、海から解決へ導こうとしたのだ。

ただ、海江田のシナリオは核兵器撤廃のみならず、世界政府樹立まで及んでいたのだから壮大なストーリーだ。

 

海江田の計画は、彼の神がかりな軍事戦略と演説力、そしてカリスマ性などを兼ね備えて、実現しているのは言うまでもない。

しかし、やまとを用いた核全廃のためのロジックは、非常に時代にマッチした現実的な発想であり、当時の防衛庁をはじめ話題となり、本作を掲載するモーニングは関係者の間での売れ行きがすごかった。

 

当然、核撤廃や世界政府樹立の思想に対して、指示する人ばかりでないのは承知しているため、ここでの個人的なイデオロギーは述べないでおく。

ただ、世界規模の革命を起こしてしまう主人公の海江田四郎は圧巻の一言である。

すごいのが、これがファンタジーの一言で片付けられないほど、現実的な視点で描かれているところだ。あらためて漫画はあなどれないものだと思った。

 

もう一度言うが、もっと早く読んでおくべきだった。

 

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