【THE 大市民】人生の達人は”人生”という名の深い授業ができるのだ

大市民シリーズ第三弾は「THE 大市民」というタイトルになったが、内容は初期から大きな変化はない。変わったことと言えば、主人公の小説家・山形鐘一郎(やまがた しょういちろう)が原宿から世田谷区に引っ越したということぐらいだろうか。

山形は相変わらず、食や趣味に対してのこだわりが強く、世の中の全てにおいて持論がはっきりしている人生の達人である。

そんな山形も53歳となり、衰えていきていると思いきや、ますます人生を謳歌するようになり、肉体もパワーアップしているように感じる。

山形は作者の柳沢きみおの分身のような存在であるため、おそらく柳沢氏も歳を重ねるごとに進化しているのだろう。このような歳のとり方に憧れるものである。(持論が偏りすぎて、時々暴言のようなことを吐いてしまうのは置いといて…)

そんな山形が学校の教壇に立ち、高校生たちが人生を学ぶというシーンがとても感慨深いものだったので紹介したい。

山形いわく、歳を重ねるほど素晴らしき人生になるというのだ。

今の世の中は若さを商品のように扱うふしがあり、多くの人が若さに執着している。

それは、大人に魅力を見出せていないからとも言える。

 

山形自身も30代になる時には暗くなったと語っている。

■30代

「もう30か〜。オヤジだ〜」

と、思っていたが、30代なんてまだまだ体中元気だし、その上楽しいことが増えて実に楽しい人生になったらしい。

山形の場合は、骨董品やクラシックカーなどの趣味に加え、家族ができて苦労と責任を伴うが、同時に味と面白みがついてくるという。

ところが、いつの間にか40代が目前に…

 

■40代

「さすがに俺の若さもコレまでか…」

しかし、いざ40代になったら水泳のパワーも全然衰えないし、バタフライも全開!

どんな鮨屋やレストランに入っても堂々としていられるようになれ、大人の趣味の世界が広がっていき、新鮮な感動の連続だ。

ただ、恐れていた50代に突入する…

 

■50代

「アラ不思議!なんの抵抗もなしに50代を受け入れられた」

さすがに体力的な衰えは感じるようになったが、歳をとることに抵抗がなくなり、自分が今いくつかなんて全く気にならなくなったという。

つまり、数や形で自分を判断する事からついに抜け出た!と山形は言うのだ。

 

若者はたいてい数や形ばかり気になって悩み、ありのままの自分を受け入れられない。

ありのままの自分を受け入れられたとき、人は真の「大人」になることができ、いくつになろうが人生は大いに楽しいものなのだ。

これは本当に「いい人生」を歩んできた山形だからこそできる若者への授業であり、多くの大人たちはこのような考えに至っていないだろう。

なぜか今の世の中は、歳をとることは悪だという風潮があり、歳をとることを嫌がる人が多い。

しかし、本当にいい人生を歩んでいる人が歳をとると人生が味わい深くなり、楽しみが増えてくるものなのだ。

こんな話は、決して学校は教えてくれないだろう。

だから多くの若者は歳をとることに恐怖心があるのだ。

 

本作で、まさに「大市民」というタイトルの真髄を見たと思う。

これからも歳を重ねてさらに成長する山形に注目していきたい。

 

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