【善悪の屑】凶悪事件の犯罪者たちに、被害者に代わって復讐するぞ

「善悪の屑(ぜんあくのくず)」は何かと話題となった漫画だ。

法で裁くことのできない凶悪犯罪者に対して復讐の代行を行う2人組の通称カモとトラの話。

残虐な描写や、私刑を正当化するようなストーリー展開から不健全図書に指定される。さらには第2部の「外道の歌」の実写映画化が決まっていたにも拘わらず、主演の俳優が強制性交容疑で逮捕され、公開中止になるなど色んな意味で注目された漫画である。

この漫画の特徴は、現実で起きた事件を脚色しているところである。

当時、ニュースで毎日報道されてた事件が毎回展開されており、妙に物語に感情移入してしまうのだ。

 

我々はニュース報道で見た表向きの情報しか入れることができず、実際の被害者の心情や、加害者がその後どうなっているかを深くは知ることができない。

凶悪な殺人犯も、刑期を終えてごく普通に暮らしていたり、ひどい場合には立件もされないケースもある。

そんな加害者に対し、被害者や遺族はやり場のない憤りを感じるとともに、悲しみを一生背負っていきていく。

そこで、復讐屋であるカモが登場するのだ。

基本的にカモたちは、加害者が被害者に与えたダメージと相応の裁きを行う。殺人者には相応の死をもって償わせる。

彼らが受ける依頼には凶悪な犯罪が多く含まれているため、必然的にカモたちの”私刑”は残虐極まりないものなのだ。

ただ、実際の被害者や遺族たちはそれを望んでいるケースが多く、カモはその望みに応えて私刑を執行する。

 

この私刑がグロテスク過ぎるのだが、加害者はそれ相応の危害を被害者に対して与えているため、因果応報なのである。

もちろんこのような私刑は、日本のような法治国家においては違法であり、絶対にしてはいけないことだが、被害者や遺族の気持ちを考えるとどうしても強く否定できないものである。

全ての加害者がそうとは限らないが、一部の犯罪者は十分な法の裁きを受けず、何年かしたら出所してのうのうと生きているケースもある。

そう考えると、事件の被害者や遺族たちが憤りを感じるのは無理もない。実際に、加害者に対しての有罪判決が不服として訴える続けている被害者も多いのだ。

カモたちが行う私刑に関しては賛否あるだろうが、少なくとも「善悪の屑」を読んで、今より被害者の気持ちを理解することはできるだろう。

ちなみにグラサンの主人公・カモこと鴨ノ目武(かものめ たけし)は一切笑うことがなく怖い印象だが、時折、かわいい一面を見せることがあるので妙に好感が持てる。

もちろんカモも人間であり、無表情の裏には辛い過去があり、素直に笑えなくなった理由があるのだ。

その理由は、第2部「外道の歌」で明かされる。

 

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